人と組織を動かす技術 ― 複雑なチームとネットワークの中で成果を生み出す影響力を身につける
このコースはデルフト工科大学から公開されている学習コース「 Stakeholders: Dealing with Power and Dynamics in Teams and Networks 」を翻訳し、日本語字幕をつけたものです。
現代のリーダーは、単に計画を立て、技術的な解決策を示すだけでは不十分です。とくにエンジニアや技術者が関わるプロジェクトは、多くの場合、複雑なネットワークの中で進行します。そこには立場も文化も利害も異なるステークホルダーが関与し、それぞれが独自の優先順位や影響力を持っています。こうした環境では、技術的な正解だけではプロジェクトは前進せず、「人をどう動かすか」という力が成功の鍵となります。
本コースでは、エンジニアとしての分析力や問題解決力を土台に、そこに「影響力のマインドセット」を加える方法を学びます。このマインドセットとは、情報の非対称性や意見の対立、組織内外のパワーバランスを理解し、それらを戦略的に活用して協力関係を築く考え方です。単なる説得ではなく、相手が自発的に動きたくなる状況をつくり出すアプローチを習得します。
コースではまず、ネットワーク内の権力構造や利害関係を見極める力を養います。次に、チーム内の役割や規範を定義し、形成期から実行期に至るまでのチームの成長プロセスを理解します。その中で、混乱期に生じる対立の建設的な解消法や、規範の育成方法、メンバーのモチベーション維持の仕組みを学びます。さらに、信頼構築や交渉の実践スキル、文化の違いへの対応など、現場ですぐに使えるノウハウも盛り込みます。
加えて、風力発電所のオーナーやエンジニアリング企業のCEO、人事部長、マネジメントトレーナーなど、さまざまな立場からのケーススタディを通じて、理論を実際の状況にどう適用するかを考えます。講義だけでなく、現実的な課題を扱う演習やシミュレーションを行い、単なる知識習得にとどまらない、実践的な力を身につけます。

前提知識
特別な事前知識は不要です。エンジニアリングや技術系の経験は役立ちますが、他分野の方でも受講可能です。人や組織の動きに興味があれば問題ありません。
受講対象者
本コースは、以下のような方々に最適です。
- エンジニアや技術系プロジェクトマネージャーで、リーダーシップスキルを高めたい方
- 複数のステークホルダーと関わる業務に携わる方
- チーム運営やネットワーク構築に課題を感じている方
- 技術的専門性に加え、対人関係・組織マネジメント力を強化したい方
- 多様な利害関係者を巻き込み、協力を引き出す方法を理解する
- チームの成長段階(形成期・混乱期・規範期・実行期)と、それぞれで必要なリーダーの対応を学ぶ
- 対立の管理、モチベーション維持、建設的フィードバックなどの実践スキルを知る
- 情報の非対称性やパワーバランスを戦略的に扱う「影響力のマインドセット」を身につける
- 文化や価値観の違いを超えて信頼を構築する方法を学ぶ
モジュール 1. 複雑な世界へようこそ |
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01) 1.1.1 モジュール1 - 複雑な世界へようこそ |
02) 1.1.2 ビジョンを持つリーダー |
03) 1.1.3 4年後 |
04) 1.1.4 市長の危機 |
05) 1.2.1 協力を促すインセンティブ |
06) 1.2.2 複数の課題に取り組むアプローチ |
モジュール 2. ネットワークにおける戦略 |
07) 2.1.1 ネットワークにおける戦略へようこそ |
08) 2.2.1 ネットワーク戦略の概要 |
09) 2.2.2 ケーススタディ: エンジニアリングコンサルティング会社のCEO |
10) 2.2.3 ケーススタディ: 風力発電所のオーナー |
11) 2.2.4 ケーススタディ: マネジメントトレーナー |
12) 2.2.5 ケーススタディ: エンジニアリングコンサルティング会社の人事部長 |
13) 2.2.6 ケーススタディ: 給与交渉を行うCEO |
モジュール 3. ネットワークにおける信頼 |
14) 3.1.1 ネットワークにおける信頼へようこそ |
15) 3.1.2 イントロダクション - ゲームのルール |
16) 3.1.3 ケーススタディ: R&D部門 |
17) 3.1.4 背後にあるものは何か? |
18) 3.2.1 ゲームのルールの概要 |
19) 3.3.1 文化的次元 |
20) 3.4.1 実践におけるリーダーシップ: 影響力のある考え方についてのマネージャーの意見 |
モジュール 4. ネットワークから組織へ |
21) 4.1.1 ネットワークから組織への導入 |
22) 4.2.1 情報の非対称性とプロフェッショナリズム |
23) 4.3.1 内容とプロセス |
24) 4.4.1 MOOC第4モジュール課題の概要 |
25) 4.5.1 組織の自己エンジニアリング能力 |
26) 4.6.1 多様性と重複 |
27) 4.7.1 トップダウン対ボトムアップ |
28) 4.8.1 多様性と重複は問題か? |
29) 4.9.1 組織を導く |
30) 4.9.2 組織を導く 2 |
31) 4.10.1 アプローチ |
モジュール 5. チームリーダーとしてのエンジニア |
32) 5.1.1 モジュール5へようこそ |
33) 5.1.2 コンセプトと境界の概要 |
34) 5.1.3 モジュールの構成 |
35) 5.2.1 形成期(Forming)の概要 |
36) 5.2.2 チーム構成 |
37) 5.2.3 チームビルディング |
38) 5.3.1 混乱期(Storming)の概要 |
39) 5.3.2 チーム内の対立 |
40) 5.3.3 チーム内の対立 |
41) 5.3.4 対立の管理 |
42) 5.4.1 規範期(Norming)の概要 |
43) 5.4.2 規範の発展 |
44) 5.4.3 継承と安定性 |
45) 5.5.1 実行期(Performing)の概要 |
46) 5.5.2 モチベーションとチームパフォーマンス |
47) 5.5.3 建設的なフィードバック |
48) 5.5.4 ネガティブフィードバック |
49) 5.6.1 総括 |
50) 5.7.1 実践におけるリーダーシップ 2 |
モジュール 6. コースの総括 |
51) 6.1.1 コース総括の導入 |
52) 6.2.1 賢い指揮命令型戦略 |
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講師
本コースは、デルフト工科大学(TU Delft)の「Leadership Essentials for Engineers」プログラムの一環として、国際的に活躍する組織マネジメント・リーダーシップ分野の専門家が担当します。産業界と学術界の両方で豊富な経験を持つ講師陣が、実例と理論を融合させた内容を提供します。
本コースは、デルフト工科大学(TU Delft)の「Leadership Essentials for Engineers」プログラムの一環として、国際的に活躍する組織マネジメント・リーダーシップ分野の専門家が担当します。産業界と学術界の両方で豊富な経験を持つ講師陣が、実例と理論を融合させた内容を提供します。
翻訳ボランティア
謝辞
本コースの日本語翻訳は、下記のボランティアの方々の全面的なご協力によるものです。ここに厚く感謝申し上げます。
家田浩之様、加藤ゆかり様
鎌田信恵様、五島寛子様
小山りな様、柴田弘子様
髙田真弥様、瀧雅子様
永田優衣様、西川瞳様
福永芳子様、松村泰起様
松本漠様、三田仁様、吉津美那子様
(50音順)
謝辞
本コースの日本語翻訳は、下記のボランティアの方々の全面的なご協力によるものです。ここに厚く感謝申し上げます。
家田浩之様、加藤ゆかり様
鎌田信恵様、五島寛子様
小山りな様、柴田弘子様
髙田真弥様、瀧雅子様
永田優衣様、西川瞳様
福永芳子様、松村泰起様
松本漠様、三田仁様、吉津美那子様
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権利関係
この講座はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で提供されています。

Stakeholders: Dealing with Power and Dynamics in Teams and Networks
この講座はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で提供されています。

Stakeholders: Dealing with Power and Dynamics in Teams and Networks
Tu Delft(デルフト工科大学)
オランダ最古の工科大学で、ヨーロッパでも非常に高い評価を受けている名門校。土木工学、建築、航空宇宙学などがとくに有名。大学のロゴはギリシャ神話にある「プロメテウスの炎」を表しています。
https://www.tudelft.nl/
オランダ最古の工科大学で、ヨーロッパでも非常に高い評価を受けている名門校。土木工学、建築、航空宇宙学などがとくに有名。大学のロゴはギリシャ神話にある「プロメテウスの炎」を表しています。
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