技術を動かし、チームを前へ進める ― エンジニアのための実践的プロジェクトマネジメント
このコースはデルフト工科大学の「 Project Management of Engineering Projects: Preparing for Success 」を翻訳し、日本語字幕をつけたものです。
技術者として日々プロジェクトに関わる中で、「技術的には正しいはずなのに、なぜかプロジェクトがうまくいかない」「チームや関係者との調整に時間を取られてしまう」「結局、何を優先すべきなのかが曖昧なまま進んでしまう」という経験をしたことがある方は少なくないでしょう。 こうした状況の背景には、技術そのものとは別に、プロジェクトを動かす“人・組織・価値”に関わる要素が複雑に絡み合っています。チームの関係性、クライアントの要件、リスクの捉え方、契約上の制約、コストやスケジュールの現実といった要素は、どれもエンジニアの判断と連動しながらプロジェクトの成否を左右します。
しかし、これらのマネジメント要素を体系的に学ぶ機会は、技術系の教育課程では十分に与えられていないのも現実です。 そこで役立つのが、本コースです。
本コースは、オランダの名門・デルフト工科大学によるエンジニア向けのプロジェクトマネジメント講座で、とくに「プロジェクトの早い段階での判断」を重視して設計されています。初期フェーズには、プロジェクトの方向性を定める重要な判断が数多く含まれており、その質がプロジェクト全体に大きく影響します。 本コースは、この初期フェーズに焦点を当てながら、技術者が現場で直面する要素を分解し、理解し、活用できるよう、段階的な学習プロセスを用意しています。
単なる知識習得ではなく、プロジェクトマネージャーとしての視点、チームリーダーとしての姿勢、関係者に働きかけるためのコミュニケーション、そして価値ある成果を導く判断力。そのすべてを、実例やインタビューを交えながら実践的に学べる点が本コースの大きな特徴です。 最後には、学んだ内容をひとつの形にまとめるプロジェクト実行計画(PEP)を自ら作成することで、学びを実務につなげる手応えを得られる構成となっています。
■ 本コースの構成(Part 1: プロジェクトの基礎と初期段階)
- まず、プロジェクトマネジメントの重要性を理解し、成功の鍵となる人間関係やクライアント要件の捉え方を学びます(モジュール1)。
- 次に、プロジェクトマネージャーの役割やチームリーダーシップを学び、効果的なチーム編成の方法を身につけます(モジュール2)。
- さらに、ステークホルダー分析、機会の捉え方と枠組み設定、リスク管理といった、プロジェクト初期に不可欠な視点を習得します(モジュール3)。
- 価値を最大化するための方法論や、フロントエンドフェーズにおける開発手順を学び、プロジェクトに価値を組み込む視点を養います(モジュール4)。
- その後、契約管理や契約戦略を理解し、プロジェクトの外部環境を適切に扱う知識を身につけます(モジュール5)。
- 続いて、コスト見積もりやスケジューリングなど、プロジェクトを現実的に進めるための計画・管理スキルを学びます(モジュール6)。
- 最後に、これまでの学びを統合し、プロジェクト実行計画(PEP)の作成に取り組むことで、実務で応用できる能力を完成させます(モジュール7)。
プロジェクトを「進める側」から「導く側」へ。
チームを動かし、価値ある成果を生み出すための第一歩として、このコースはあなたの力になるはずです。
受講対象者
本コースは、以下のような方々に最適です。
- エンジニアとしての経験はあるが、プロジェクトマネジメントを体系的に学んだことがない人
- はじめてプロジェクトを任される若手技術者
- チーム運営やステークホルダー管理に不安を感じている技術系職種の方
- 施工管理、設計、研究開発など、技術プロジェクトに関わる実務者
- プロジェクトの全体像をつかみ、仕事の進め方を改善したい技術系学生や社会人
特段の専門知識は不要です。一般的な技術プロジェクトの流れに関する基礎的な理解があればスムーズに学習できます。初学者でも無理なく取り組める構成になっています。
学習目標
このコースを通じて、次のような力を身につけることを目指します。
- プロジェクトマネジメントの基本的な考え方を理解し、技術者として求められる役割を把握する
- 効果的なチーム編成とリーダーシップの基礎を理解し、チームワークを向上させる
- ステークホルダー分析やリスク管理など、プロジェクト初期段階で必要な枠組みを活用できる
- 価値を高めるプロジェクト手法、契約の扱い、コストやスケジュール管理の基礎を習得する
- プロジェクト実行計画(PEP)を自ら作成し、現実のプロジェクトで応用できる実践的なスキルを身につける
| モジュール1: プロジェクトマネジメントの重要性 |
|---|
| モジュール2: チームの編成 |
| モジュール3: 機会の捉え方と枠組み設定 |
| モジュール4: 価値の確保 |
| 20) 4.0.1 導入と学習目標 |
| 21) 4.1.2 標準的なプロジェクト活動 |
| 22) 4.2.1 フロントエンドフェーズでの対応策 |
| 23) 4.2.2 読書課題:フロントエンド開発 |
| 24) 4.2.3 価値向上手法(VIP)の選定 |
| 25) 4.2.4 価値向上手法(VIP)の実践的応用 |
| 26) 4.3.1 PEP(プロジェクト実行計画)の構成要素 |
| モジュール5: 契約管理 |
| 27) 5.0.1 導入と学習目標 |
| 28) 5.1.1 契約と請求管理 |
| 29) 5.1.2 読書課題:契約手続き |
| 30) 5.1.3 成功した契約のケース |
| 31) 5.2.1 契約戦略 |
| 32) 5.2.2 読書課題:契約の種類とインセンティブの影響 |
| モジュール6: コストとスケジュールの見積もり |
| 33) 6.0.1 導入と学習目標 |
| 34) 6.2.1 読書課題:プロジェクトの監視とコントロール |
| 35) 6.2.2 コスト見積もり |
| 36) 6.3.1 スケジューリング |
| 37) 6.3.2 読書課題:プロジェクトスケジューリング |
| 38) 6.4.1 実務における見積もり |
| モジュール7: 統合と実践 |
| 39) 7.0.1 導入と学習目標 |
| 40) 7.1.1 経済評価 |
| 41) 7.1.2 読書課題:プロジェクトの経済的評価 |
| 42) 7.2.1 プロジェクト実行計画(PEP) |
| 43) 7.2.2 インタビュー:実務者の視点 |
| 44) 7.2.3 もう一度:PEPの構成要素 |
|
翻訳ボランティア
謝辞
本コースの日本語翻訳は、下記のボランティアの方々の全面的なご協力によるものです。ここに厚く感謝申し上げます。
大久保佐世子様、川西柚希様
五島寛子様、近藤出保様、椎名瞳様
柴田弘子様、染谷広幸様、髙田真弥様
高橋葉月様、長澤菜月様、古木仁 様
前田政夫様、松村泰起様、三田仁様
(50音順)
謝辞
本コースの日本語翻訳は、下記のボランティアの方々の全面的なご協力によるものです。ここに厚く感謝申し上げます。
大久保佐世子様、川西柚希様
五島寛子様、近藤出保様、椎名瞳様
柴田弘子様、染谷広幸様、髙田真弥様
高橋葉月様、長澤菜月様、古木仁 様
前田政夫様、松村泰起様、三田仁様
(50音順)
Tu Delft(デルフト工科大学)
オランダ最古の工科大学で、ヨーロッパでも非常に高い評価を受けている名門校。土木工学、建築、航空宇宙学などがとくに有名。大学のロゴはギリシャ神話にある「プロメテウスの炎」を表しています。
https://www.tudelft.nl/
オランダ最古の工科大学で、ヨーロッパでも非常に高い評価を受けている名門校。土木工学、建築、航空宇宙学などがとくに有名。大学のロゴはギリシャ神話にある「プロメテウスの炎」を表しています。
https://www.tudelft.nl/

