ビートルズの“最後の新曲”がAIの力でよみがえろうとしています。ジョン・レノンが生前に録音したデモ音源をもとに、AIが彼の声を抽出し、新たな楽曲として仕上げる計画です。ファンの間では「感動的」と歓迎する声がある一方、「オリジナルでなければ意味がない」と戸惑いも。創作か再現か、AIと音楽の境界が問われています。

森林が二酸化炭素を吸収することは知られていますが、実際にどれほどの量を蓄えているのかは、正確に測るのが難しい課題です。タイの研究チームは、ドローンによる空撮と3Dモデリングを用いて、森林全体の炭素貯蔵量を高精度に推定しようとしています。森の力を正しく知ることが、未来を守る第一歩になります。

スイス・ジュネーブで開かれた国連主催の「AI for Good」サミットでは、人型ロボットが自らの可能性を語りました。「感情や偏見に左右されず、効率的な判断ができる」と話すロボットに対し、記者からは「どう信頼すればいいのか」との問いも。AIの力をいかに人類の課題解決に生かすかが真剣に議論されています。

ウクライナでは、前線にロボット犬を投入する新たな戦術が注目されています。偵察や地雷探知、弾薬や医薬品の運搬など、これまで複数の兵士と機器を必要としていた任務を、1体のロボットが代行できるのです。兵士の命を守りながら戦術を強化する手段として、現代戦における貴重な存在になりつつあります。

AIは、国連が掲げる「平和・人権・開発」の三本柱すべてに影響を与える力を持っています。気候変動の監視や医療研究の進展、教育や健康の権利の実現など、可能性は多岐にわたります。一方で、偏見の増幅や差別の強化、監視強化への懸念も拡がっています。技術がこれまで以上の速度で進化する時代、私たちの向き合い方が問われています。

フランス西部の小さなレストランで、配膳ロボット「ベラボット」が働き始めました。求人に応募が集まらず、未経験者にも門戸を開いたものの定着せず、最終的にロボットに活路を見出しました。客の反応は賛否両論。「人間の仕事を奪わないならいい」「賃金を上げるべきだ」。便利さの裏にある現実が、静かに問いかけられています。

1973年、モトローラ社の技術者マーティン・クーパー氏が初の携帯電話で通話を行いました。話す・聞くだけの端末から始まった携帯電話は、今や世界中の人々を夢中にさせる存在になっています。しかし彼は、スマートフォンに依存する現代の姿に懸念を抱いています。それでもクーパー氏は、教育や医療を変える力がこの小さな機器にはあると信じています。

「科学をもっと身近に」――そんな思いから始まった「Pint of Science」フェスティバルは、パブやカフェで科学について語り合える機会を世界中に広げています。専門知識がなくても楽しめる形式は、日常の中に新たな学びをもたらします。「ふだん調べないことでも知るきっかけに」と参加者。今年で12年目、多くのイベントが開催され、科学が人と人をつなぐ場となっています。

イングランド、エクスマウスのレジャー施設では、革新的な方法でプールを温めています。コンピュータをオイルに浸し、その発熱でオイルを温め、熱交換器でプールの水を加熱するというもの。光熱費を抑え、環境負荷も軽減できます。地域の公共サービスを支える新たな再利用技術として、各地の施設から問い合わせが殺到しています。

ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市「CES」。ロボットや電動スキーなど、最新技術が集結しました。血流を光で読み取る健康モニターや、巨大スクリーン体験を提供するウェアラブル端末、音声で命令を受け取る介助ロボットまで、多彩な製品が披露されました。約13万人の来場者を迎えたこの祭典は、未来の暮らしを垣間見るショーケースとなっています。